2010年1月22日金曜日

温泉みみず芸者

「温泉みみず芸者」は、艶笑譚として秀作であり、お色気あり笑いありで単純に楽しむために作られた作品。

ガールズトークならぬボーイズトーク(男性のたわいものない馬鹿話・妄想)が基本であるので、あまりの馬鹿馬鹿しさに、抵抗感がある人もあるかもしれませんが、構図や編集のベースがしっかりしているので、映画として楽しる作品に仕上がっています。
というのも、鈴木監督は、「俺は照明をまんべんなく当てて影を作らないんだ。その方がバカに見えるだろ?」「ピントは奥まで全部合わせるんだ。そうすると画面に奥行きがなくてバカに見えるだろ?」と、従来の映画技法の考えを逆手にとった演出をされることで、ヌードだろが、下ネタ話しであろうが、あけらかんとしてます。

また監督の鈴木則文さんの代表作として、『トラック野郎』シリーズ(全作品監督・脚本)があり、娯楽作品を多く作られていますが、そこにも、社会風刺がピリッときいています。とはいえ、それを全面に出すということもないので、個人的に非常に好感を持ています。
さらに鈴木監督の言葉に「せめて映画ぐらいは弱い者の味方であってもいいじゃないか、なんて言ったら格好つけすぎかな」といっておられます。
これらのことは、監督鈴木則文としてだけでなく、脚本家鈴木則文としても感じることはでき、全作品においては、人情の機微、人の愚かしさを温かく見つめるまなざしを感じることができます。
このあたりは、藤純子主演『緋牡丹博徒』シリーズ(鈴木則文さんが生みの親ともいわれています)の第2作「緋牡丹博徒 一宿一飯」(鈴木則文監督・脚本)をご覧になると理解いただけるかと思います。

さて今回の主役の池玲子さんは、これが映画主演デビューであり、公称バスト98cmの豊満な裸体を脱ぎっぷりよく披露し、一躍人気と注目を集め、同年「女番長ブルース 牝蜂の逆襲」「現代ポルノ伝 先天性淫婦」に出演し、デビューの年にゴールデン・アロー賞グラフ賞を受賞しています。
ちなみに当時は公称17歳とのことでしたが、実際は16歳との話もありますが、どちらにしても、デビュー作での演技は未熟さを感じさせますが、その体当たりの演技とその後の作品ごとの変化には驚かされます。
なお、その時代小中学生までその名前は知られていたとのことなので、本当にすごい人気であったのが伺えます。

池玲子さんは以降も『女番長』シリーズ、『恐怖女子高校』シリーズ等に主演。杉本美樹と東映ポルノ路線を支えました。 また、単にその容姿だけでなく、女優としても資質を感じさせ、『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』などの任侠作品での立ち回りの見事さや、『仁義なき戦い 代理戦争』『新仁義なき戦い』などでが印象的です。



タイトル:温泉みみず芸者
公開年月:1971/07/03
監督:鈴木則文
脚本:鈴木則文、掛札昌裕
撮影:古谷伸
美術:雨森義充
音楽:鏑木創
企画:岡田茂、天尾完次
出演:池玲子(多湖圭子)、松井康子(多湖初栄)、杉本美樹(多湖幸子)、
小池朝雄(馬場敬太郎)、山城新伍(広瀬)、由利徹(西山)、
芦屋雁之助(久兵ヱ)、芦屋雁平(吉川)、名和宏(竿師段平)、
岡部正純(竿師段吉)、大下哲也(ピストンの健)


温泉みみず芸者

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